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偏心・根曲がり材

 奥羽山脈の山懐に抱かれたスギ人工林で、列状間伐の業務を担当させていただいている。その林分は急峻な地形、豪雪という自然界のストレスを受けて成長しており、偏心・根曲がりという現象が顕著に見られる。
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▲急斜面に立つスギ50年生木、豪雪地帯においては、生長した地上部を支える頑丈な根元部・地下部が必要不可欠である。「ねまりが強い・大きい」の表現が似合う。

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▲伐採した根元断面は良質材の条件と言われる「完満通直」状態にはほど遠い・・・木口は楕円形、中心は著しくずれている、S字幹曲がりが見られる。正常材と違って繊維方向に大きく収縮するので,製材すると大きな狂い(アテ材)の原因となる

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▲根曲がり部を2m程(端材・低質材)で採材すると、完満な木口状態になる。かつて端材はそのまま放置される事例が多かったが、今ではバイオマスチップ原材料として現代社会に貢献している。
 豪雪地帯で人工林を育成していくことは並大抵のことではない。根曲がり等で上長生長が阻害され、相当の下刈り等の保育期間が必要であり、育成コストが嵩む。完満通直な良質材生産が難しく、経済性の確保が難しい。それでも先人を含め地域が一丸となって、長伐期施業を取り入れながら、地域の将来のために造林事業に取り組んできたのである。

思うこと
 急峻な斜面の植生状況や降水・流水処理の状況を見ると、土壌を支えているのは樹木根部の緊縛力である。根は土壌層に張っているだけでなく,場合によっては基岩の中にも伸びる。そこに根が侵入するばかりでなく割れ目を押し広げてゆき,太い根系が貫入することになる。その結果,その地点より斜面の上部にある土壌層の崩壊をくい止めているのである。そして、管理が放棄されている森林は、表面植生が衰退して土壌が流亡しやすい。また、立木を伐採後10年から20年経過した斜面は、前植生の根系の緊縛力が低下し、崩壊が生じやすくなると云われている。健全な森林機能を継続させていくためにも、私たちは「伐ったら植える」ということを、当たり前のこととしなければならないのである。
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