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広葉樹天然生林の更新施業

 ナラ等広葉樹天然生林の伐採更新施業が盛んに行われている。チェンソー伐倒を主体としながらも高性能林業機械を駆使した生産作業体系である。
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 ▲伐倒木根元の雪掘りをし、1本1本丁寧に伐採していく。形状がほぼ円錐形のスギ、カラマツなどに比べ、重心がわかりにくい広葉樹の伐倒には高度な技術が必要とされる。先輩方の作業から基本技術を学び、自らも研鑽を重ねて会得した安全確実な伐倒技術がそこにあった。

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 ▲搬出路作設はフェラバンチャーザウルスが担当している。この高性能林業機械はグラップル機能とバケット機能そして伐倒機能を併せ持つ多面的アタッチメントで専用機と遜色なく機能を発揮する優れものである。

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 ▲造材の一部や巻き立て、積み込み作業はグラップルソー/バックホウが担当している。グラップルにチェーンソーを取り付けた機械で、巻き立て、積み込みの他に玉切を行うことができる。
 土場までの運材はフォワーダ(スタンダードタイプ)が担当する。

 ナラ枯れ被害が拡大した要因の1つに、里山林が管理放棄されたことによるコナラやミズナラの高齢化が挙げられる。適正に更新し、若返りを図っていくことは地域の大きなテーマである。ナラ枯れ防除方法として樹幹注入、伐倒燻蒸、立木燻蒸等単木的な施業方法で対応してきているが、スケールの大きな自然界においては抜本的な防除策にはならないように思う。関係者が連携して、計画的に、面的に、ナラ枯れ未被害および微害の里山林を皆伐して萌芽更新等による若齢化を図っていくことこそ最大の防除方法なのである。
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「横手J-クレジット」購入

 昨年に引き続き、今年度も 「横手J-クレジット」を10t購入した。高性能林業機械による素材生産時やチップ生産時のCO2排出量をオフセットしていくとともに、地域の山を守り育てていく活動に役立ててほしいとの思いである。横手市及び横手市森林組合の取り組みに敬意と感謝の意を表するものである。
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 ▲「横手J-クレジット」購入による森林貢献に係る証明書の授与式が2月14日、橫手市役所において行われた。横手市・森林組合森林吸収共同プロジェクト推進協議会の備前副会長(横手市森林組合長)より兼子社長に授与された。

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 ▲この楯が「横手J-クレジット」購入による森林貢献に係る証明書である。

 高性能林業機械や大型トラックの燃料(軽油等)及び製材所、チップ工場の電力等の消費によって大量の二酸化炭素等温室効果ガス排出が想定される。しかしながら、間伐等地域の森林整備事業を担当させていただいていること、社有林の適正な管理を推進していること、加えてこうしたJ-クレジットを購入することによってカーボン・オフセットの目標達成を目指している。住みよい環境と貴重な森林資源を次代に繋いでいくための挑戦である。



冬山作業

 今冬は幾度となく寒波の襲来があり、伐採現場での積雪は2mを超えている箇所もある。寒さ、積雪、凍結、冠雪落下等冬山作業における自然環境リスクは多いが、冬山ならではのメリットもある。特に急傾斜地形における搬出路作設については雪を巧みに活用しながら有効幅員を確保し、掘削高を抑えて林地保全、環境保全上発生する課題を大きく軽減する事ができるとともに、小沢や湿地帯も雪を踏み固めることで搬出路としても活用できる。また、雪上での集積、造材、搬出作業は泥で材を汚さず品質を確保することができる。生活の中では除雪作業等の負荷が多く、嫌われ者の雪も、こうした林業現場ではかけがえのない協力者ともなるのである。
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 ▲伐る位置をできるだけ低くするため雪掘り作業は欠かせない・・・。グラップル/バックホウを巧みに活用しながらも、安全な作業位置、退避場所の確保等から人力による作業も必要である。

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 ▲“伐倒方向よし、上よし、周りよし、退避所よし・・・”安全指差し呼称後伐倒作業が行われる。チェンソー名人の伐倒作業手順は安全で、そして早い。

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 ▲倒れる瞬間、冠雪が雪煙をあげる・・・迫力満点である。
 
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 ▲伐倒された材はグラップル/バックホウによって全幹集材される。

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 ▲全幹集材された材はハーベスタによって枝払い、造材が行われ、用途別に仕分けされる。

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 ▲用途別に区分集積された材はフォワーダによって集積土場まで搬出される。

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 ▲雪道ではフォワーダのゴムクローラーは、上りや下りばかりでなく斜めに滑ったりすることが懸念される。滑り止めチェーンでグリップ力を高める。

  当該冬山作業チームは、60代の伐倒担当チェンソー名人、搬出路作設のザウルスロボオペレーター、30代のハーベスタオペレーター・グラップル/バックホウオペレーター、20代のフォワーダオペレーターの5人編成である。経験豊かな技術者と若いパワフルな技術者がそれぞれの担当域を安全・確実に実行していくという技のコラボレーションである。

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