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列状間伐・素材生産事業

 天気予報に雪だるまのマークが出てくる季節となり、スギ人工林における素材生産事業が急ピッチに行われている。1伐2残、1伐3残方式という列状間伐施業は人工林の密度管理を適正に行うとともに、効率的な素材生産事業を可能にしている。
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▲森林作業道作設のための道路敷支障木伐倒作業、地形状況を見ながらプロの技術者が路線形を決定していく。経験を積み重ねた確かな知識と技術である。

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▲伐倒した支障木を巧みに集材しながら森林作業道を作設していく。ザウルスロボはグラップル機能とバケット機能を併せ持つ、多目的アタッチメントで2つの機能を専用機と遜色なく発揮する事が出来る優れものである。

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▲ 予告合図の笛が鳴り響き、指差し呼称で安全を確認し、プロのチェンソーマンの伐倒作業が始まる。受け口切り、追い口切り、のこ道の確保及び伐倒方向を確実なものとすること等のためにくさびを打ち込み、予定した方向へ安全・確実に伐倒する。

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▲伐倒木はグラップル/バックホウによって森林作業道沿いに集材される。

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▲ 集材木はハーベスタによって枝払い、造材される。材質や通直状況を見極めながら、合板材、端材等に分類される。機械化林業の神髄がここにある。

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▲所定の材長に玉切された材はフォワーダによって山土場へ運材される。

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▲山土場ではグラップル/バックホウが種類別に区分けして巻き立てする。見事な連携作業である。

思うこと
 奥羽山脈の山懐での列状間伐・素材生産事業は9月下旬にスタートして11月上旬に完了した。担当チームは20代3人、40代1人、50代1人の5人体制である。経験豊富な卓越した技術者達と高性能林業機械オペレート技術に長けた若者達が融合し、安全で効率的な作業を展開していたことが印象的である。それぞれが担当する業務の中で次の行程のための配慮を繰り返しながら、チーム全体の向上意識が高いことを感じることができる。厳しい自然環境、急傾斜で足下の悪い現場の山林作業においてはチームの和、連携・協調性が極めて大事なのである。

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偏心・根曲がり材

 奥羽山脈の山懐に抱かれたスギ人工林で、列状間伐の業務を担当させていただいている。その林分は急峻な地形、豪雪という自然界のストレスを受けて成長しており、偏心・根曲がりという現象が顕著に見られる。
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▲急斜面に立つスギ50年生木、豪雪地帯においては、生長した地上部を支える頑丈な根元部・地下部が必要不可欠である。「ねまりが強い・大きい」の表現が似合う。

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▲伐採した根元断面は良質材の条件と言われる「完満通直」状態にはほど遠い・・・木口は楕円形、中心は著しくずれている、S字幹曲がりが見られる。正常材と違って繊維方向に大きく収縮するので,製材すると大きな狂い(アテ材)の原因となる

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▲根曲がり部を2m程(端材・低質材)で採材すると、完満な木口状態になる。かつて端材はそのまま放置される事例が多かったが、今ではバイオマスチップ原材料として現代社会に貢献している。
 豪雪地帯で人工林を育成していくことは並大抵のことではない。根曲がり等で上長生長が阻害され、相当の下刈り等の保育期間が必要であり、育成コストが嵩む。完満通直な良質材生産が難しく、経済性の確保が難しい。それでも先人を含め地域が一丸となって、長伐期施業を取り入れながら、地域の将来のために造林事業に取り組んできたのである。

思うこと
 急峻な斜面の植生状況や降水・流水処理の状況を見ると、土壌を支えているのは樹木根部の緊縛力である。根は土壌層に張っているだけでなく,場合によっては基岩の中にも伸びる。そこに根が侵入するばかりでなく割れ目を押し広げてゆき,太い根系が貫入することになる。その結果,その地点より斜面の上部にある土壌層の崩壊をくい止めているのである。そして、管理が放棄されている森林は、表面植生が衰退して土壌が流亡しやすい。また、立木を伐採後10年から20年経過した斜面は、前植生の根系の緊縛力が低下し、崩壊が生じやすくなると云われている。健全な森林機能を継続させていくためにも、私たちは「伐ったら植える」ということを、当たり前のこととしなければならないのである。

令和元年のナラ枯れ

 ナラ枯れ・・・文献には「カシノナガキクイムシが病原菌を伝播することによ って起こる、ミズナラ等が集団的に枯損する樹木の伝染病の流行」とある。当地域で最初に被害が確認されたのは平成20年11月、湯沢市院内地区で被害本数3本であった。あれから10年以上の歳月が経過し、その間、膨大な数量のミズナラ等の森林資源が枯損消失している。昨年度は前年度と比較して若干減少の傾向とされ、被害終焉の方向性を期待したが・・・
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▲暑い夏がまもなく終わろうとしている今、あちこちに赤褐色の枯損木が見られるようになった

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▲私の知る限り、今年最もインパクトのある激甚被害地・・・

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▲昨年、一昨年の被害で大きなダメージを受けている林分に止めを刺すかのように、今年の被害が覆い被さっている

思うこと
 この10年間、ナラ枯れ被害を絶滅するべく関係者は防除・伐倒駆除に懸命に取り組んできた。殺菌剤の樹幹注入、羽化脱出前に薬剤によるくん蒸、更新伐施業等多くの時間と費用を費やしてきたが、広大な自然界の中では抜本的な解決策には至っていない・・・ナラ類の枯損被害が蔓延している林分では、今まで抑制されていたユキツバキや笹類等の下層植生が林地を支配することになる。偶発的な攪乱現象に期待するということで、植生遷移の延長線上で極相林に至るには余りに多くの時間を必要とする。このままでは水源涵養や土砂崩壊・流出防備等森林の持つ公益的機能の低下が懸念される。

令和元年9月の安全衛生委員会

 9月2日(月)山林部、製材部、運輸部、チップ部の代表者と役員で構成される月例の安全衛生委員会が開催された。 今回は林業労働災害事例の検証と横手労働基準監督署から指導いただいた事項についてミーティング等で周知徹底するよう注意喚起が行われた。
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▲安全管理者である兼子専務の進行により、資料に基づいて会議が進められた。

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▲ゼロ災の推進は如何なるものにも優先する重大事項であり、各委員は提出された案件の説明を真剣に聞いていた。労働災害撲滅は役員、従業員の壁を越え、会社全体で共有すべきテーマなのである・・・

思うこと
 林業は高性能林業機械が普及してきたことにより、生産性の向上、省力化、労働強度の軽減及び労働安全性が改善されつつあるが、労働災害発生頻度からみると作業の安全性は依然危険な状況にあるとされている。弊社は森林を守り育てる林業と、生産された木材を活用する木材製造業を担当する林業会社である。今日も職場が、安全で快適なものとなることをめざして、地道な安全活動を続けていかなければならない・・・労働災害撲滅に特効薬は無いのである。



秋田活性化中学生選手権

  秋田魁新報社が主催する「第1回 秋田活性化中学生選手権」事業に賛同し、協賛することになった。この事業は将来の地域活力の源となる中学生が地元企業・団体を訪問して理念や事業内容を学び、その特色を生かした地域活性化プランを発表するという企画である。
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▲8月5日、魁新報社関係者、皆瀬中学校教諭とともに、初々しい皆瀬中学校の女生徒5名が訪問してくれた。

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▲ 兼子社長歓迎の挨拶の後、弊社事業の内容を理解してもらうため活動記録ビデオを放映する。真剣な表情、眼差しが印象的であった。

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▲意見交換の場では、中学生ならではの活発な質問や意見をいただき、嬉しくも対応にたじたじであった・・・

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▲10月の地区(県南)予選に向けて思わずガッツポーズ! 雄勝湯沢の特色を活かした活性化プランを創造し、全県大会に羽ばたいてほしいと念願している。

思うこと
 林業会社に初々しい女子中学生が訪問してくれるというのは、何とも嬉しいことである。弊社の理念や取り組みをどうのように思ったのだろうか。見て聞いて学び、地域活性化についての取り組みを友達と共有することはかけがえのない宝物になると思う。そして、この地域に生まれ育ったことを誇りに思えるような人生を歩んでほしいと心より思う・・・
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